ルーマニアのほうれん草スープ「Supa de Spanac」完全レシピ|野菜くずも丸ごと使う栄養満点の一杯|ルーマニ屋
📅 2026年5月 ✍️ エヴァ(ルーマニ屋オーナー・品川・五反田)
今日も一日、お疲れ様でした。仕事でへとへとになって帰ってきたとき、温かいスープがテーブルに用意されていたら——どんなにほっとするでしょう。今回ご紹介するのは、私の故郷ルーマニアで昔から家庭の食卓に並んできた「Supa de Spanac(スパ・デ・スパナック)」、日本語で言うとほうれん草の濃厚クリームスープです。
このスープを作るとき、私はいつもルーマニアのお母さんたちの姿を思い出します。野菜は一切無駄にしない。玉ねぎの皮も、セロリの葉も、にんにくの皮も、全部だしに使う。そうやって愛情と知恵を込めて作られたスープが、どれほど体に染みわたるか。今日はその作り方と、使う食材ひとつひとつの持つ力を、丁寧にお伝えします。
東京・品川・五反田エリアでお仕事をされている方、一人暮らしで食事がおろそかになりがちな方、体の疲れが抜けないと感じている方——ぜひ、この一杯を試してみてください。きっと体の内側から温まります。
🌿 使う食材と、それぞれの効果・栄養
このスープには、体に嬉しい食材がぎっしり詰まっています。一つひとつの食材が持つ力を知ると、食べるたびに「体が喜んでいる」と感じられるようになります。

🥬 ほうれん草
このスープの主役です。ほうれん草は鉄分・葉酸・ビタミンC・ビタミンK・βカロテン・マグネシウム・カリウムを豊富に含む、まさに「緑の宝石」。特に鉄分は女性に不足しがちな栄養素で、疲れやすさ・顔色の悪さ・集中力の低下に深く関係しています。葉酸は細胞の修復を助け、ビタミンKは骨の健康に欠かせません。また、ほうれん草に含まれるルテインはスマートフォンやPCを使い続ける現代人の目の疲れを和らげる効果もあります。
🧅 玉ねぎ
玉ねぎに含まれるケルセチン(ポリフェノールの一種)は、強力な抗酸化作用を持ち、老化・炎症・動脈硬化の予防に役立ちます。また硫化アリルという成分が血液をさらさらにし、血流を改善。疲労回復にも効果的です。さらに玉ねぎは腸内の善玉菌のエサとなるフラクトオリゴ糖を含み、腸活にも最適。炒めることで甘みが増し、スープに深いコクを与えてくれます。
🧅 玉ねぎの皮(捨てないで!)
玉ねぎの皮には、実の部分よりも数十倍のケルセチンが含まれていることが研究で明らかになっています。国立健康・栄養研究所のデータでも、ポリフェノール含量が食品の中でも特に高い部位として注目されています。皮をよく洗い、だし取りに使うだけで、スープ全体の抗酸化力が劇的にアップします。黄金色のだしが出て、スープに深みが生まれます。ぜひ捨てずに活用してください。
🧄 にんにく
にんにくのアリシンは、強力な抗菌・抗ウイルス作用を持ち、免疫力を高めます。疲労回復効果で知られるビタミンB1の吸収を大幅に高める働きもあり、体力が落ちているときに特に効果的。また血中コレステロールを下げ、血流を改善する作用もあります。にんにくの皮もだしに入れることで、余すことなく栄養を活用できます。
🌿 セロリ
セロリ独特の爽やかな香りの成分アピイン・セダノリドには、精神的な緊張をほぐし、リラックスを促す効果があります。仕事で神経を使い続けた一日の終わりに、このセロリの香りがスープに溶け込んで、体と心をほぐしてくれます。またカリウムが豊富で、塩分の排出を助け、むくみの改善にも効果的。葉の部分にも豊富な栄養があるので、捨てずにだしに使いましょう。
🥔 じゃがいも
じゃがいもはスープにとろみと満足感を与えてくれる大切な食材。ビタミンCは加熱しても壊れにくいという特性を持ち、免疫力維持・コラーゲン生成・美肌に貢献します。またカリウムが豊富で高血圧予防に効果的。食物繊維も含み、腸内環境を整えます。皮の近くに栄養が多いため、薄く剥くか、皮ごと使うのがおすすめです。
🌱 長ねぎ
長ねぎの白い部分には硫化アリルが豊富で、血行促進・体を温める効果があります。緑の部分にはβカロテン・ビタミンC・カルシウムが多く含まれ、こちらも捨てずにだしに使うと良いでしょう。風邪のひきはじめや体が冷えているときに特に効果を発揮する、日本でもなじみ深い食材です。
🧈 手作りハーブバター(ガーリック・パセリ・ディル)
私が手作りしているハーブバターには、ガーリック・パセリ・ディルが入っています。パセリは実は栄養の宝庫で、鉄分・ビタミンC・ビタミンKが非常に豊富。ディルはルーマニア料理に欠かせないハーブで、消化を促進し、胃腸を整える効果があります。このバターをスープの仕上げに加えると、香りと風味が一気に引き立ち、プロのような深みが生まれます。
🫙 ローズマリー・タイム入りオリーブオイル
オリーブオイルに含まれるオレイン酸・ポリフェノール・ビタミンEは、動脈硬化の予防・抗酸化作用・美肌効果で知られています。さらにローズマリーには記憶力・集中力を高めるロスマリン酸が、タイムには抗菌作用のあるチモールが含まれます。香り豊かなハーブオイルで食材を炒めることで、脂溶性ビタミン(βカロテンなど)の吸収率を高める効果もあります。
🌶 自家製鷹の爪のお酢漬け(トッピング)
仕上げに少量添える鷹の爪酢漬け。鷹の爪のカプサイシンは体を温め、代謝を上げ、脂肪燃焼を促す効果があります。また酢の酢酸は疲労物質である乳酸の分解を助け、疲れた体の回復を早めます。少量でも風味が引き締まり、スープ全体のアクセントになります。
🥛 サワークリーム(または生クリーム・牛乳)
ルーマニア料理には欠かせないサワークリーム。乳酸菌が豊富で腸内環境を整え、カルシウム・たんぱく質を含みます。生クリームや牛乳で代用もOK。スープをクリーミーに仕上げ、食べる人をやさしく包み込むような、柔らかなまろやかさを加えてくれます。
♻️ 野菜くずを捨てないで!だしに変える知恵
日本では野菜くずをゴミとして捨ててしまうことが多いですが、実はそこにこそ貴重な栄養素が集まっています。ルーマニアの家庭料理では、野菜くずは「だしの素」。一切捨てません。
野菜くずの栄養と活用法
- 玉ねぎの皮:ケルセチン(ポリフェノール)が果肉の数十倍。抗酸化・抗炎症・血流改善。よく洗ってだし袋に入れて煮出すだけで、黄金色の美しいだしが取れます。
- にんにくの皮・根元:アリシン・ポリフェノールが豊富。捨てずにだし袋へ。
- 玉ねぎの根・外側の固い部分:甘みとミネラルが凝縮。だしに深みを加えます。
- セロリの葉・茎の端:βカロテン・ビタミンC・カリウムが豊富。香り高いだしになります。
- 長ねぎの青い部分・根元:硫化アリル・ビタミンC・βカロテンが豊富。風味豊かなだしが取れます。
- じゃがいもの皮:皮の直下にビタミンCとカリウムが集中。薄く剥いただし袋に入れて活用を。
作り方はとても簡単です。野菜くずをよく洗い、鍋に水と一緒に入れて20〜30分煮出すだけ。これが「野菜くずブロス(スクラップブロス)」です。市販のコンソメより栄養価が高く、添加物ゼロ。体に優しい、本物のだしです。
私はこのだしを毎回使います。野菜くずを捨てるたびに「もったいない」と感じていた方、ぜひ今日から変えてみてください。地球にも体にも、そしてお財布にも優しい選択です。
🍲 ほうれん草クリームスープ の作り方

材料(2〜3人分)
| 食材 | 分量の目安 |
|---|---|
| ほうれん草 | 1束(約200g) |
| 玉ねぎ | 1個 |
| にんにく | 3〜4片 |
| セロリ | 1〜2本 |
| じゃがいも | 1〜2個 |
| 長ねぎ | 1本 |
| 手作りハーブバター | 大さじ1〜2 |
| ハーブ入りオリーブオイル | 大さじ2 |
| コンソメ(または野菜くずブロス) | 800ml〜1L |
| サワークリーム(または生クリーム・牛乳) | 大さじ3〜4 |
| 塩・胡椒 | 適量 |
| 自家製鷹の爪酢漬け(仕上げ) | 少量 |
手順
- 野菜くずブロスを作る:玉ねぎの皮・にんにくの皮・セロリの端・長ねぎの根元などをよく洗い、水800ml〜1Lと一緒に鍋に入れ、20〜30分煮出します。ざるで漉してだし汁を取っておきます。
- 野菜を切る:玉ねぎはみじん切り、にんにくはスライス、セロリは輪切り、じゃがいもは角切り、長ねぎは斜め切りにします。
- 炒める:鍋にハーブ入りオリーブオイルを熱し、にんにく・玉ねぎを弱火でじっくり炒めます。玉ねぎが透明になり甘みが出たら、セロリ・長ねぎ・じゃがいもを加えてさらに炒めます。
- 煮る:野菜くずブロス(またはコンソメスープ)を加え、じゃがいもが柔らかくなるまで中火で15〜20分煮ます。
- ほうれん草を加える:ほうれん草をざく切りにして加え、さっと2〜3分煮ます。色が鮮やかなうちに次のステップへ。
- ブレンドする:ハンドブレンダーまたはミキサーでなめらかになるまで撹拌します。(食感を残したい場合は半分だけブレンドしてもOK)
- 仕上げ:サワークリーム(または生クリーム)を加えてよく混ぜ、塩・胡椒で味を整えます。最後に手作りハーブバターをひとかけ落とし、溶けたら完成です。
- 盛り付け:器に注ぎ、自家製鷹の爪酢漬けをほんの少し添えて完成。白いサワークリームをうずまき状に垂らすと、見た目も美しく仕上がります。
💚 このスープが体にもたらす総合的な健康効果
このスープ一杯に含まれる栄養効果をまとめると、以下のようになります。
- 疲労回復:鉄分(ほうれん草)・アリシン(にんにく・玉ねぎ)・酢酸(鷹の爪酢漬け)
- 免疫力アップ:ビタミンC(じゃがいも・パセリ)・アリシン(にんにく)・βカロテン(ほうれん草)
- 抗酸化・アンチエイジング:ポリフェノール(玉ねぎ皮・オリーブオイル)・ビタミンE・ルテイン
- むくみ改善・血圧ケア:カリウム(ほうれん草・じゃがいも・セロリ)
- 腸内環境を整える:食物繊維・乳酸菌(サワークリーム)・フラクトオリゴ糖(玉ねぎ)
- 美肌・コラーゲン生成:ビタミンC・ビタミンK・ビタミンE
- 精神的リラックス:セロリのアピイン・ディルの精油成分・温かい一杯そのものの安らぎ
- 血流改善・体を温める:硫化アリル(玉ねぎ・長ねぎ)・カプサイシン(鷹の爪)
一杯のスープに、こんなにたくさんの力が詰まっています。薬ではありません。でも毎日の食事を通じて体を整えていくこと——それこそが私の大切にしていることです。
🌷 エヴァから、あなたへ
私はルーマニアで生まれ、日本に来てもう20年以上になります。最初は言葉も文化も全然わからなくて、本当に苦労しました。そのときに私を支えてくれたのは、いつも「食事」でした。
故郷の味が恋しくて、ルーマニアのお母さんたちが作ってくれたスープを再現しながら、少しずつ元気を取り戻していきました。食べることは、自分を大切にすること。そう強く思います。
東京・品川・五反田でお仕事をされている方々は、本当に毎日忙しいですよね。プレッシャーも多く、疲れが積み重なることもあるでしょう。そんな夜に、このスープを作ってみてください。台所に立って、野菜を刻んで、いい香りが部屋に広がって——それだけで、少し気持ちが楽になりますよ。
野菜くずさえも大切にする、この料理の姿勢が、あなたの暮らしにも少しだけ伝わったら嬉しいです。何も捨てない。全部に意味がある。それは食材だけでなく、毎日の小さな時間も同じだと思っています。
次回も、ルーマニアの家庭料理と暮らしの知恵をお届けします。読んでくれてありがとう。ありがとう、いつも。

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